2015.12.03 Web制作
【カラーセラピストが教える】配色が与えるWebサイトの効果
Webサイトのデザインに関して、「色」がユーザーに対して大きな影響力を持つことはもはや言うまでもありません。ここではそんな「色」が与える人への効果、またWebサイトならではの配色のルールについて、Webプロデューサー兼カラーセラピストでもある、しげっちさんに伺ってきました。
色が人に与える効果とは?
−「色が人に対して一定の効果を与える」という考えは昔からあったのですか?
しげっち:はい、そうですね。特にインテリアなどでは色彩心理を意識的に採り入れることが多いです。例えば勉強部屋など集中しやすいのは「青」ですとか、「赤」だと会議で発言が活発になるといった効果があります。
飲食店など、ちょっと落ち着いた雰囲気を出したい場合は「茶」や「ベージュ」を用い、顧客の回転率を上げるためには「赤」を多くして時間を短く感じさせる環境をつくるといったことがあります。
また、「食」でもそういった効果を感じる場面は多くります。昨年に少し話題になりましたが、カレーの色といえば茶系を初め黄味を含んだ色がメジャーですが、“青色”だったら食欲が下がるということで、一時的に「青いカレー」がネットで話題になりました。
麺類にしても何にしても色が辛そうな赤とかだと食欲がそそられるのですが、やはり寒色系、特に青のカレーの画像をみると、さすがにこれは・・ってなりますよね(笑)。
−確かに(笑)。
しげっち:食材にもよりますが、寒色系の色は食欲を減退させる効果があるともいわれていますので、ある意味ダイエットであれば、そういった効果を利用することもできます。
【食欲減退】青いカレー pic.twitter.com/2G0ZH09m7Z
— 【食欲減退】メシマズ写真 (@mazu_meshi) 2014, 9月 10
−それ以外にはどんな例がありますか?
しげっち:緑色も自然が元になっているので目に優しい。そのため癒し系とかサプリであれば緑や、黄緑系を使うと良いですね。
また、貴金属に代表されるシルバーやゴールドで高級感を出すことができますし、高級なお店やホテルなどでは、サイトやロゴ、またアイテムに黒背景にゴールドの文字が使われていたりします。
服であれば、お見合いや合コンとかで可愛くみせたかったらピンクだったり、元気な感じであればオレンジだったり。あとは、クラブだったら、赤や黒とか刺激的な色を使うといったことが考えられますね。
やはりそういった例からも色彩には人体に一定の効果があるということがおわかりいただけたのではないでしょうか。
Webサイトならではの配色のルール
−実生活に関して、色が人に与える効果が理解できました。それでは特にWebサイトに関して、用いられる配色のルールや決まり事などあるのですか?
しげっち:背景色と文字色のコントラスト差を気にすることは多いですね。これはアクセシビリティの観点からだけでなく、一般のユーザーに対しても「視認性」や「可読性」を保つためにも配慮が必要とされています。
また、行動を促すという意味では「赤」は、比較的多くの業界でも購買意欲を高める効果を狙って使われることが多いですね。そのため、お問い合わせボタンや資料請求、購入ボタンに「赤」が用いられているのをよく目にされるかと思います。また、「オレンジ」も多いですね。実際のサイトでボタンの色をテストするケースもあります。
あとは伝えたいメッセージで配色を変えるといった方法があります。ただ、はっきりとした意図なく多くの色を使い過ぎてしまうとかえって統一感に欠ける印象を与えてしてしまいますので注意が必要です。
地下鉄でもオレンジが銀座線で赤が丸の内線でとか、すぐに色で見分けがつく。数多くの色を使うのではなく、企業や製品・商品、サービスの色として「これ」と、絞る方がアイデンティティは明確になりますよね。それぞれ用いられている色にはすべて理由があります。
社名との相性もあるでしょう。すごく先進的な名前なのに安定感を表す「茶色」だとどこかで違和感を感じますし、勢いのあるベンチャー企業なのに「紫色」とかだと、ちょっと勢いが感じられない場合もあります。
色に関しては、誰しも公私関係なく日常的に接しているものです。特に毎日皆さんが手にされているスマートフォンで閲覧しているWebサイトにも色は必ずあります。これからは色の与える心理効果も気にしながらサイトを見てみると面白いかもしれませんね。
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