2015.12.22 Web制作
Webディレクターの腕の見せ所!“炎上”させないスケジューリングの勘所
Web制作の現場において、その成否を決める要因は「スケジュール管理」にあるといっても過言ではありません。そして、そんなプロジェクト全体の舵取りを担うのがWebディレクターの役目。ここではWebディレクターの滝沢さんに、炎上させないためのスケジューリングのポイントについて伺ってきました!
プロジェクトが遅れてしまう原因はどこに?
-そもそも、Web制作プロジェクトの立ち上がりはどのように進められるのですか?
滝沢:基本的にプロジェクトのご相談を頂いた段階で1度社内でミーティングを行い、情報共有・認識のすり合わせを行います。ディレクターが各制作部の責任者に案件の概要や納期を報告します。その後、それぞれの責任者が自分の部のスケジュールを確認して、実際に案件を受けられるかどうかの判断をします。ディレクターの一存で勝手に受注の可否を決めないというのは大事なポイントです。
-ではなぜ、プロジェクトにおいてスケジュールの「遅延」や「炎上」といった状況に陥ってしまうものなのでしょうか?
滝沢:原因はいくつも考えられます。想定できなかったことが起きてしまうとか、もともと決まっていたものが急遽変更になるとか、仕様がしっかりと固まっていない状態でスタートしてしまうとか。
-具体的には過去にどういったケースがありましたか?
滝沢:先方の担当者の方がとても忙しくて、連絡や確認が取れず、全体の進捗に響いてきてしまった場合がありました。その逆パターンもありました。こっちの手が回らない。スケジュールをはじめにすり合わせてOKした時点で、よっぽどのことがない限りは弊社の都合でクライアント様をお待たせするのはタブーですけどね。。本当、ご迷惑お掛けしっぱなしです。。
あとは、今まで現場の担当者の方と連絡を取って進めていたものが、途中から上司や社長が入ってきて「これやだーやり直し!」なんてこともありました。
-一度スケジュールが遅れてしまった場合、後からその分を取り返すことはできるんですか?
滝沢:基本的には一度発生した遅れを取り戻すのはかなりハードです。そうならないためにあらかじめバッファ(予備の期間)を確保しておく必要がありますね。それができない場合は休日対応しか手がないですね。。。プロジェクトがスタートする段階で1、2週間ほどの予備日を設けられるのが1番理想ですね。
あとはプロジェクトが進行していく中で、中盤ぐらいの段階になるとある程度現実的なスケジュールの見通しが立ってきます。その段階でスケジュール的に厳しいけど公開日が動かせないというような状況であれば、「ここまでは公開日に合わせて公開して、残りは公開後に対応しましょう」というように、段階を踏んで公開していく方法に切り変えるというようなご相談をすることもあります。土下座です(笑)
状況が状況であるにも関わらず、何が何でも公開日に合わせて全てを対応しようとすると、どこかが中途半端になってしまい良くない結果を招いてしまう可能性があります。そこはお客様のためにも、お互いのためにも納得する形で公開するために、物理的に無理な部分は別の進め方に切り替える判断を下していただく、というようなケースもあります。
その辺をしっかりと説得して、相手に納得していただくのがディレクターの腕の見せ所でもあります (笑)。
プロジェクトに遅れを出さないためにできること
-あらかじめプロジェクトに遅れを出さないために、何か心がけていることなどありますか?
滝沢:お互いにしっかりとコミュニケーションをとることが大事だと思います。言い辛いことほどちゃんとお伝えした方がいいので、そういった大事なことは曖昧にせずに、なるべく早めに話すことが炎上防止に繋がります。特に「お金」のことと「時間」のことですね。
それ以外では、お客様の社内でしっかりとデザインの仕様を確定していただくことも大事です。時には「デザインの修正は2回までですよ」など、ズルズルとスケジュールが遅くなってしまうことを避ける意味でも、様々線引きをしておくこともありますね。
あとはそもそも、プロジェクトを始める段階で既に難しいと思うものは丁重にお断りさせていただくこともあります。無理して受けてしまうと、お客様にもご迷惑をかけてしまいますし、弊社事情で納期を遅らせてしまうのもよくないことですからね。
-それでは最後にプロジェクトがスタートになる前にできることについて教えてください。
滝沢:プロジェクトスタート前に必要な素材が一通り揃っているのかどうか、撮影から始めないといけないのかどうかなど、そういう部分の事前共有をどれだけ徹底できるかが重要です。
また、お客様の仰っている納期がどれだけマストなのかをしっかりと確認することも重要になります。例えば万が一スケジュールに遅れが生じてしまった場合、月末までのものが翌月初になっても大丈夫なのか、あるいは絶対月末締切りなのかというように細かい情報の共有が大切です。
-なるほど!ありがとうございました。
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