2016.02.15 Web制作
WordPressとMovable Type 何が違う?
近年、CMS(content management system)を使って自社で情報発信できるWebサイトの制作をご依頼いただく機会が増えてきました。
なかでもWordPress(ワードプレス。以後WP)とMovable Type(ムーバブルタイプ。以後MT)を用いて、というお話が多いで、今回は両者の違いや、それぞれの導入メリットとデメリットなどをお話しします。
少々昔話を。
2005年ごろ、「Web2.0」という言葉が一時流行しました。
大胆に要約してしまうと、これまでインターネットは一部のWebサイトを構築できる人だけが情報を発信し、そのほかは情報を受信するツールだったが、それが誰でも情報の発信者となれるようになった流行の変化。まあこんなところです。
確かにこの辺の時期からブログやっている人多くなったし、SNSもアカウント所有者が増えて行ったような、とうろ覚えな過去の記憶。
その一方で、Web特有の匿名性(プライバシーとか、匿名性とかなんやらかんやら)が薄れだした時期かな、とも思えます。
まずは特徴・違いなどから
■WP
- オープンソース・ライセンスであるため無料です。
- PHPで開発されています。
- プラグインが豊富です(理由は後述します)。
- コミュニティによるサポートが充実しています。
■MT
- シックス・アパート社が開発・提供しているサービスであるため、ライセンスに沿った使用が必要で、個人・非営利の利用を除き有料です。
- PerlとPHPで開発されていますが、Perlのみでも動作させることができます。
- 公式サポートを受けることができます。
WordPress(WP) | Movable Type(MT) | |
---|---|---|
ライセンス | GLP(無償にて利用可能) | 個人・非営利は無償利用可能。それ以外は基本的に有償ライセンス契約。 |
開発言語 | PHP | Perl |
データベース | MySQL | MySQL |
サポート | フォーラム | 有償ライセンスを購入した場合は公式サポートあり |
プラグイン | 多数(10,000以上) | 少数(数百) |
コンテンツの生成 | 動的 | 静的 (ただし動的も可) |
それぞれのメリットとデメリット
■WP
- 【メリット】
- ・オープンソースなため無料
- ・プラグインが豊富なため、カスタマイズ性が高い
- ・インストールが容易
- ・SEOの観点で有利
- →ファイルの構成が検索エンジンと親和性が高い。
- 【デメリット】
- ・サポートがない
- →オープンソースなため、フォーラムなど公式でないもののみ
- ・表示速度にムラがある
- →ddhddで書かれているため、ファイルを動的に生成するので、ユーザー環境によってはページの表示に時間がかかることがあります。
■MT
- 【メリット】
- ・開発元であるシックス・アパートのサポートが受けられる
- ・ユーザー環境に依存しない
- →「再構築」によりページを生成しているため、動的にページを表示するのに比べて表示速度が速い。
- 【デメリット】
- ・大規模サイトの構築に向かない
- →再構築が必要なため、サイトが大きくなればなるほど時間がかかる
- ・初期費用が発生する
結局どっちがいいのよ?
結論から言うと、ケースバイケースです。
でも、ここまで読んでいただいて、それでは納得いきませんよね。
ですので、そのケースをいくつか考えてみました。
WPがphpを使用するのに対して、MTはphpの知識が無くても何とかなります。ですので、プログラム関連の知識が無くても構築しやすいのはMTです。
また、前述のとおり、WPが動的にページを生成するのに対して、MTは静的であるため、作成するサイト規模が大きければ大きいほど、WPのほうがユーザーに与えるストレスは大きいでしょう。
一方、再構築が不要なWPは、サイト規模が大きくてもサクサク構築できるのに対し、MTでは大きさに比例して再構築で時間がかかるので、担当者の時間的なコストは増えることになります。
え?
結論になってないですか??
分かりました。 では、筆者の独断と客観的事実から、もう一歩踏み込んでみましょう!
- A:
- ・バングラディシュ
- ・ブラジル
- ・インドネシア
- ・シンガポール
- ・パキスタン
- ・オランダ
- B:
- 日本!(以上)
これは全世界での使用国をグルーピングした結果で、AはWPでBはMTです。
はい。MTはほぼ日本でのみ使用されているんですね。
冒頭付近で、WPはプラグインが豊富、と書きましたが、それはここに由来しています。WPは世界の多くの国で使用されているため、各国の開発者がプラグインなどより使いやすい環境構築が進んでいるのに対して、MTは日本が多くのシェアを有しているので、プラグインの数に限界があるわけです。
そしてこれはこの先の続く、いえ、恐らくシェアだけでいえばその差は今後開く一方になることでしょう。
インターネットでは寡占がごく当たり前で、GoogleとYahoo!の昔と今を見比べればわかっていただけるのではないかと思います。
あと、無料というのも大きいですよね。
もちろん上記は私見を含んでいるので、絶対ではありえませんし、すでに述べたとおり構築者次第であるとこも多分に含んでいます。
そのうえでこの結論を吟味していただければ何よりです。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
この記事を読んで、私たちに興味を持ったお客様は、気軽にお問い合わせください!
東京のホームページ制作・Web制作のお問い合わせ、お見積り依頼、相談、質問は
こちらのお問い合わせフォームよりお願いいたします