2022.11.06 Web制作
システム開発 - AWS DNSの設定(Route53)
前回のAWS DNSの設定概要(Route53)では、このRoute53のサービスで何を設定するのか?ということを確認するために、DNSの概要について説明しました。
ドメインの取得
Rote53の設定の後半で、ネームサーバーの設定の際に、ドメインが既に取得されている必要があります。今回は、ドメイン取得で有名なお名前.comで取得しました。
テスト的にドメインの設定を行うのであれば、1年間で1円のドメインもあります。
今回は、実際にDNSの設定をしていきますが、そのためには独自ドメインを取得する必要があります。今回は、flying-high-works.siteというドメインをオプションを何もつけずに取得しました。
Route53の設定
Route53とは、DNSサーバーの設計・構築を行うためのフルマネージド(維持管理が不要)で高速なAWSのSサービスです。
作業は、設定するドメインの管理画面に、Route53のネームサーバーに変更するだけです。
Route53でホストゾーンを作成すると、自動的に設定するドメインのネームサーバーも登録されるので、その情報を、お名前.comなどの管理画面から登録することになります。
ホストゾーンとは、ドメインが管理する範囲で、今回は、設定しませんがサブドメインを含め、flying-high-works.siteとうドメインが責任を持つ範囲ということになります。
のちにSOAレコードに情報が記載されます。
設定手順
- 「サービス」から「Route53」を選択
- 左メニュー「ホストゾーン」を選択
- ホストゾーンの作成 をクリック
ドメイン名
flying-high-works.site
- 設定するドメイン名を入力を入力します
- wwwなどのサブドメインは入れません
説明
- オプション設定ですが、今後のためにテスト設定であることやドメインの有効期限、ドメイン管理会社などを入れておくと便利です。
タイプ
パブリックホストゾーン
- インターネットからそのドメイン名にアクセスさせる場合は、こちらを選択します。
- 「プライベートホストゾーン」は、VPC内でルーティングする際に、IPアドレスが無いままで、ドメイン名を使用したい場合に選択します。
ホストゾーンの作成 をクリック
無事作成されるとNSレコードが4つと、SOAレコード1つが確認できます。
NSレコードとは、Name Serverの略で、特定のサブドメイン+ドメイン名について、どこで当ドメインのIPアドレスが見つけられるかを知らせるサーバーになります。
また、SOAレコードとは、Start of authorityの略で、ドメインのホストゾーン(管理する範囲)に関する情報が記載されます。
ネームサーバーの設定
今回のドメインはお名前.comで取得しています。
従ってここからは、お名前.comの管理画面の設定となります。
- お名前.comの管理画面にログイン
- ドメイン契約更新が表示される
- 上部「ネームサーバーの設定」から「ネームサーバーの設定」をクリック
- 旧グローバルナビの場合
- 「ドメイン設定」をクリック
- 「ネームサーバーの設定」の「ネームサーバーの変更」をクリック
- 旧グローバルナビの場合
- 対象のドメイン名の左にあるチェックボックスをチェック
- すぐ下のタブのうち「他のネームサーバーを利用」をクリック
ネームサーバー情報を入力
ここにRote53で表示されたNSレコードの4つを一つずつ上から同じ順でコピペします。
その際、Route53の一覧では、最後に「.(ドット)」がついているので、ドットは削除してコピペしてください。
確認画面へ進む をクリック
確認画面が表示されたら、設定する をクリック
「インターネットの環境により、反映完了まで24時間から72時間程度かかる場合がございます。」とありますが、30分から1時間程度で反映される場合が多いようです。
Aレコードの設定
閲覧者がブラウザにドメインを入力すると、DNSにより名前解決(IPアドレスを探す)を行おうとし、ルートネームサーバーから順をたどって、今回設定したネームサーバーにたどり着きます。
しかし、ネームサーバーの役割は、IPアドレスを返すはずですが、現時点では、まだこのドメインと紐づくIPアドレスは設定していませんので、IPアドレスを返すことができません。
そこで、返すべきIPアドレスをAレコードを使用して設定します。
Aレコードとは
Aレコードとは、Addressの略で、サブドメイン+ドメインにIPアドレスを関連付けるレコードタイプです。IPv4ではAレコードで、IPv6ではAAAA(クワッドエー)レコードで設定します。
設定手順
- 「サービス」から「Route53」を選択
- 左メニュー「ホストゾーン」を選択
- 対象のドメインをクリック
- レコードを作成 をクリック
レコード名
(空白)
example.com などのドメイン名のトラフィックをルーティングするには、[レコード名] フィールドを空白のままにします。デフォルト値はホストゾーンの名前です。
www.example.com などのサブドメインのトラフィックをルーティングするには、ドメイン名を入力せずに、サブドメイン名を入力します。たとえば、www.example.com のトラフィックをルーティングするには、www だけを入力します。
AWSヘルプより
レコードタイプ
A – IPv4 アドレスと一部の AWS リソースにトラフィックをルーティングします。
値
- EC2インスタンスのパブリックIPv4アドレスを記述します
- 確認方法は、「EC2」左メニュー「Elastic IP」で「割り当てられた IPv4 アドレス」です。
TTL
- そのままで問題ありません
- フルリゾルバにキャッシュさせておく時間です。
ルーティングポリシー
シンプルルーティング
レコードを作成 をクリック
Aレコードが追加されました。
wwwサブドメインを登録
実は現時点では、flying-high-works.siteでアクセスした際の設定は完了していますが、www.flying-high-works.siteというwwwが付いたドメインではアクセスできません。
Aレコードをさらに追加します。
- レコードを作成 をクリック
レコード名
www
- 上記の「レコード名」以外は、上記の設定と同じです。
レコードを作成 をクリック
これで「flying-high-works.site」と「www.flying-high-works.site」と二つの方法でアクセスできるようになります。
任意のサブドメインの登録
上記ではwwwをサブドメインとして登録しましたが、同様に他のサブドメインの登録も可能です。
例えば、テスト環境を作るような場合には、「レコード名」を「staging(任意)」とし、「値」に別のIPアドレス(※)を記述して作成すれば、サブドメインが作成できます。
※EC2インスタンスや商用サーバーなどで、グローバルIPアドレスが割り当てられたWebサーバーを別途用意する必要があります。
ルーティングポリシー
今回、Aレコードの設定で「ルーティングポリシー」というものが出てきました。
この「ルーティングポリシー」には、いくつか種類があり、複数のIPアドレスやドメインが設定された時に、どのように割り振るかを設定できます。
シンプルルーティング
レコードセットで事前に設定された値に基づいて、ドメインへの問い合わせに応答します。ほとんどの場合、これを設定します。
加重
複数のエンドポイントごとに設定された重みづけに基づいて、ドメインへの問い合わせに応答します。提供リソースに差がある場合や、ABテスト時に使用します。例えば、dmainAとdomainBに重みづけを90対10とした場合には、domainBは10回に1回ルーティングされます。
位置情報
クライアントの位置情報に基づいて、ドメインへの問い合わせに応答します。コンテンツのローカライズや、地域限定配信時に使用します。
レイテンシ―
リージョン間の遅延が少ない方のリソースへルーティングします。複数の国にまたがってリソースが存在する(マルチリージョン)場合に使用します。
フェイルオーバー
ヘルスチェックの結果に基づいて、利用可能なリソースへルーティングします。ヘルスチェックとは、一定間隔で指定のURL等にアクセスし問題がないかを確認する機能です。障害発生時にSorryサーバーに簡単に切り替えることができます。
複数値回答
DNSクエリに応答して、WebサーバーのIPアドレスなどの複数の値を返すように設定できます。
まとめ
今回は、Route53サービスを使用して、DNSの設定を行いました。
この設定をもって、AWSの一般的な設定は、完了となります。今回までで作成されたイメージは下記のようになっているはずです。
次回からは、パブリックサブネットにあるサーバーを実際にWebサーバーとして稼働させるための設定を行っていきます。
次回:AWS WebサーバーへのSSH接続と基本的なコマンド
文責:フライング・ハイ・ワークス代表 松田 治人(まつだ はるひと)
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