2024.12.25 Web制作
サイトリニューアルの要件定義とは?進め方や成功させるポイントも紹介
Webサイトのリニューアルについて調べていると「要件定義」という言葉を目にするのではないでしょうか。リニューアルを行うには、要件定義が非常に重要であるとされています。この記事では、要件定義の意味や進め方、成功させるポイントについて解説していきます。
Webサイトリニューアルの要件定義とは?
要件定義とは、サイトリニューアルのさまざまな条件をまとめることです。
具体的な条件としては、以下のようなものが挙げられます。
- リニューアルの背景はなにか
- いつまでに完了させるのか
- どのような機能を実装させるのか
要件定義の主な目的は、自社とサイトリニューアルを行う制作会社の認識を一致させることです。
要件定義が曖昧なままリニューアルを進めてしまうと「課題が解消されない」「リリース予定日に間に合わない」などの問題が生じる可能性があります。
要件定義の進め方
ここでは、要件定義の進め方について解説します。
進め方を把握することによって、要件定義の全容を把握できるようになるはずです。
あくまでも基本的な進め方であるため、絶対にこのやり方で進行しなければならないというわけではありません。
課題を洗い出す
要件定義を行うには、リニューアル前のWebサイトが抱える課題を把握する必要があります。自社サイトのアクセスを分析したり、競合サイトと比較したりして課題を見つけていきます。
自社の社員にヒアリングしたり、サイトのユーザーへアンケートを実施したりしても良いでしょう。
特に、定性的な課題を洗い出す場合には、ヒアリングやアンケートがおすすめです。
社員やユーザーから直接意見を聞くことによって、自分たちだけでは気付けなかった課題が浮き彫りになるからです。
課題をカテゴライズする
課題を洗い出したら、それらを該当カテゴリーに分類します。そして、そのカテゴリー内で、リニューアルの優先順位を決めていきます。「重要性」や「緊急性」などを基準に優先順位を決定しましょう。
Webサイトをリニューアルするには時間と手間がかかるからこそ、しっかりと優先順位を決めてから取りかかることが大切です。
目的と施策を決定する
次は、カテゴリー分けした課題ごとに、課題を解決するリニューアルの目的を決定していきます。例えば、課題が「受注数の減少」なら、サイトリニューアルの目的は「サイト経由の申し込み増加」になります。
「その目的を達成することが課題の解決に繋がる」というイメージで進めていきましょう。
目的が決まれば、どのような施策が必要なのか、どのページをリニューアルする必要があるのかが明確になります。
※Webサイトのリニューアルについては、こちらの記事がおすすめです。
ホームページをリニューアルする目的・タイミング・手順・注意点を解説 | FHスタッフBLOG | 東京のホームページ制作・Web制作会社 フライング・ハイ・ワークス
社内の合意を得る
目的や施策が決定したら、社内でサイトリニューアルの合意形成を進めていきましょう。要件定義を固める前に合意を得ていないと、実際にリニューアルを進める段階になって既に決まった内容を変更する事態に発展する恐れがあります。
そのような事態になれば、スケジュールが遅延してしまう可能性もあります。リニューアルの目的や期待できる効果、リニューアル後の戦略などをキーマンに説明し、合意を得ておきましょう。
事前に社内で合意を得ることによって、リニューアルのプロジェクトを円滑に進められます。
RFP(提案依頼書)を作成する
発注側が行う作業のなかで特に重要なポイントとなるのが、RFP(提案依頼書)の作成です。
RFPとは、サイトリニューアルを依頼する外部の制作会社などに提出する資料のことです。リニューアルの目的、狙っているターゲット層、リニューアル後の目標数値、スケジュールなどを記載しましょう。
さまざまな情報をRFPにまとめておくことによって、自社と制作会社の認識のずれを防ぎます。制作会社に見積もりを依頼するときなどは、RFPを制作しておくことで、同じ条件になるため比較検討しやすくなります。
委託先を決定する
RFPを提出したいくつかの制作会社のなかから、リニューアルの委託先を決定します。制作会社によってリニューアルの費用も異なるため、相見積もりをとるのがおすすめです。
少なくとも3社程度からは見積もりをとるようにしましょう。リニューアルの内容と金額の費用対効果が高い会社を選ぶことによって、満足度の高いWebサイトになる可能性が高くなります。
要件定義書を確定させる
リニューアルを委託する会社を決定したら、RFPをもとにヒアリングを進めてもらい、リニューアルの設計書となる要件定義書の内容を確定させます。要件定義書の書式はWordやPowerPoint、Excelなどさまざまです。
要件定義書を作成するのは基本的に制作会社ですが、あくまでも一緒に作り上げていくものです。質の高い要件定義書を完成させるためにも、可能な限り制作会社のヒアリングに協力するようにしましょう。
※Webサイトのリニューアルについてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もどうぞ。
ホームページの改善を7ステップで紹介|注意すべきポイントも解説 | FHスタッフBLOG | 東京のホームページ制作・Web制作会社 フライング・ハイ・ワークス
Webサイトリニューアルの要件定義書に記載すべき内容
ここでは、要件定義書に記載する内容を紹介していきます。なにを記載すべきなのか把握することによって、要件定義書を具体的にイメージできるようになるでしょう。
リニューアルの概要
背景や目的、コンセプトなど、リニューアルの概要を要件定義書に簡潔にまとめておきます。Webサイトのリニューアルは半年以上の長期にわたることも多いため、目的やコンセプトが曖昧になってしまう場合も珍しくありません。
しかし、要件定義書に概要をまとめておけば、リニューアルを開始した目的などを簡単に振り返ることができます。リニューアルの最終的なゴールにあたるため、必ず要件定義書の最初の項目に概要をまとめておきましょう。
リニューアル公開日時
リニューアルが完了し、新しくなったWebサイトを公開する日時を決め、それを要件定義書に明記しておきます。「〜月〜日〇〇時」と時間まで細かく設定し、逆算してスケジュールを組んでいきます。
公開日時が決まっていないと、スケジュールを組むこともできません。スケジュールの長さがどれくらいになるかは、Webサイトの種類やリニューアルの内容によって異なります。
サイトマップ
Webサイトの構造を分かりやすくするために、要件定義書にはサイトマップを載せておきましょう。サイトマップとは、Webサイト全体のページやコンテンツの構成をリスト化したものです。
サイトマップを作成することによって、サイト内に必要なコンテンツの漏れを防げます。
リニューアルで実装する機能
要件定義書には「SNS連携のシェアボタン」「会員限定ページ」のような、サイトに実装する機能をまとめておきましょう。
実装する機能を考案するというのは決して簡単なことではありません。「会員限定ページ」であれば「ログイン機能」「パスワード再発行機能」なども必要です。自社で実装する機能を整理するのが難しい場合は、制作会社のアドバイスを受けながら機能を選定しましょう。
実装する機能の優先順位を決める際は「問い合わせ件数を増やす」「ブランドのファンを獲得する」などリニューアルの目的を達成するための機能なのかを考えると判断しやすくなります。
現状のサイトの課題から「会社概要を更新できる編集画面」「承認機能」など、社内運用をしやすくするための機能も検討してみましょう。
セキュリティ要件
「SSL対応」「IP制限」といったセキュリティ要件を要件定義書に明記しておきます。Webサイト内で個人情報を扱う場合は、情報漏洩防止や保管方法など高度なセキュリティ環境を構築する必要があります。
例えば、顧客のクレジットカード情報を扱うWebサイトであれば、一般的なWebサイトよりも高いセキュリティ要件が求められるでしょう。もしも情報漏洩などが発生すれば、会社の信用に関わります。
セキュリティが手厚くなれば費用もかかるため、セキュリティ環境のための予算はあらかじめ十分に確保しておくことが重要です。
インフラ要件
サイトリニューアル後のサーバーやドメインなどのインフラ環境について、要件定義書に明記しておくことが重要です。
例えば、どのようなサーバーを使用するか決めておくことは非常に重要です。無料のサーバーもありますが、容量が小さかったり勝手に広告が表示されたりする場合があり、そのデメリットは小さくありません。
会社のWebサイトの場合、容量が大きくて稼働も安定する有料サーバーを利用することをおすすめします。「サーバーは〇〇を使用する」と明記しておきましょう。リニューアルを制作会社に依頼する場合は、サーバーやドメインの取得担当者を明確にし、抜け漏れがないようにします。
「どのサーバーなら十分なセキュリティを実現できるか」という観点でサーバーを絞り込むため、セキュリティ要件を固めてからインフラ要件を定めるのが一般的です。
Webサイトの運用方針
Webサイトのリニューアル後に運用を誰がどのように行うのか、保守運用は外注するのかといった運用方針を要件定義書にまとめておきます。
保守運用を外注する場合、外注先とのトラブルを未然に防ぐためにも、どの範囲まで依頼するのかを明記します。
また、リニューアルされたWebサイトの保証期間などについては、必ず制作会社に確認しておきましょう。
※Webサイトのリニューアルや公開後の運用を依頼する会社の選び方については、こちらの記事がおすすめです。
ホームページ制作会社の選び方を解説!依頼の流れや注意点も紹介.docx
Webサイトリニューアルが完了したらやるべきこと
Webサイトリニューアルは、新しいWebサイトを公開したら終わりというわけではありません。「公開後になにをするのか」ということが極めて重要です。
ここでは、Webサイトリニューアルが完了した後にやるべきことを解説します。
アクセスを分析する
Webサイトのリニューアルが終わったら、GoogleサーチコンソールやGoogleアナリティクスなどのツールを活用し、アクセスの推移を確認しましょう。サイトに流入する前の動きはサーチコンソールで、流入後の動きはアナリティクスで把握できます。
リニューアルの直後は、一時的にアクセスが集中する場合があるため、アクセスを分析するには、リニューアル前後3ヵ月分程度のデータを用意しておくのが良いでしょう。Webサイト全体のアクセス数はどう変化したか、流入経路ごとにどのような変化がみられたか、といった点を指標を設けて比較分析します。
PDCAを回す
アクセスの分析結果を踏まえ、どこが改善されたのかを確認します。想定と違った結果になった部分や、思うような効果が得られなかった部分を洗い出し、改善施策を実施していきます。
改善のための施策では、リニューアルのような大規模改修を行うわけではありません。この場合の改善施策とは、titleタグの文言修正やホームページ内にある導線の変更など、部分的な調整のことを指します。
アクセスの分析結果を踏まえ、しっかりとPDCAサイクルを回すことによって、持続的なWebサイトの改善と成果の向上が可能になります。
まとめ
この記事では、サイトリニューアルの要件定義の意味や進め方、成功させるポイントについて解説しました。新しいWebサイトで高い成果をあげるためには、しっかりと要件定義を行ったうえでリニューアルを進めていく必要があります。ぜひお気軽にお問い合わせください。
Webサイトのリニューアルについて、ホームページ制作のプロフェッショナル集団であるフライング・ハイ・ワークスにご相談いただければ、ニーズに合致したご提案をさせていただきます。もちろん、要件定義から一緒に作成することも可能です。